ラーンの大 hammerが石壁に激突した。埃が舞い上がり、一瞬の静けさが訪れた後、崩れ落ちる岩の轟音が響き渡った。
「よし、開いたぞ!」
ラーンは満面の笑みで言ったが、イシェは眉間に皺を寄せながら周囲を見回した。
「あの、ラーン…」
「どうしたイシェ?早速宝探しにでも行くか?」
「いや、そうじゃないんだけど…この遺跡、なんか変だぞ。いつもより静かすぎるし、空気も重たい気がする」
ラーンの明るい笑顔は一瞬曇ったが、すぐにいつもの調子に戻り、イシェの言葉を無視した。
「そんなこと気にすんな!ほら、テルヘルに報告して、宝探し開始だ!」
イシェはため息をついた。ラーンの行動力にはいつも感心するが、そのせいで危険な目に遭うことも少なくない。今回は特に、何か予感が悪かった。
テルヘルは遺跡の入り口で待っていた。彼女の鋭い視線は、ラーンとイシェを隅々まで見渡した。
「何か発見はあったか?」
「ああ、壁をこじ開けて中に入れたぞ!」
ラーンの言葉にテルヘルは少しだけ眉を上げた。彼女はいつも通り冷静沈着で、ラーンの軽率な行動には常に警戒心を抱いていた。
「よし、では中に入ろう。注意深く進めよ」
3人は遺跡へと足を踏み入れた。薄暗い通路は、重苦しい空気で満たされていた。イシェは背筋がゾッとするような感覚に襲われた。まるで、何か unseenなものが彼らをじっと見つめているような気がした。
彼らは慎重に進み、やがて広大な部屋に出た。壁には古びた絵画が描かれており、中央には石の祭壇が置かれている。
「これは…」
イシェは息を呑んだ。祭壇の上には、奇妙な形の物体があった。それはまるで、巨大な水晶球のようなもので、内部では光が脈打するように輝いている。
ラーンは祭壇に近づき、水晶球をじっと見つめた。
「何だこれは…?」
その時、部屋の床が激しく振動し始めた。天井から石が崩れ落ち、壁も音を立ててひび割れていく。
「逃げろ!」
テルヘルの叫び声が響き渡った。
3人は慌てて祭壇から離れようとしたが、地面はさらに激しく揺れ、足元が不安定になった。
イシェはバランスを崩し、転倒しそうになったその時、ラーンの腕に掴まれた。彼はイシェを抱え上げ、必死に走り出した。
「気をつけろ!物理的な力だけではどうにもならないかもしれないぞ!」
テルヘルの言葉が、崩壊する遺跡の中で響き渡った。