日差しが容赦なく照りつけるビレーの広場。ラーンが剣を片手に、イシェとテルヘルを前に大げさなジェスチャーで話していた。「おいおい、見てみろよ!この宝石みてえな石だぞ!遺跡で発見したんだ!」
イシェは眉間に皺を寄せながら石を見つめた。「ただの水晶じゃないか?ラーン、またそんなもの拾ってきたのか?」
「ただの水晶だって!?これがもし古代文明の秘宝なら、莫大な価値があるぞ!俺たちは金持ちになれる!」
テルヘルは鋭い視線でラーンの様子を伺いながら静かに言った。「その石、どこで見つけたのですか?詳しく教えてください。」
ラーンの熱意が冷める様子はなく、「あの遺跡だ!奥深く進んでいたら、壁に埋め込まれてたんだ!」と興奮気味に説明する。
イシェはため息をつきながら言った。「またそんな危険な場所に行ったのか。お前には何度言ってもわからないのか?」
「大丈夫だって、俺が行くから。」ラーンの言葉にテルヘルは興味津々で耳を傾けた。彼女は水晶の真偽を見極めるために、ラーンの説明に食い入るように質問を重ねた。
ラーンは熱烈な表情で遺跡の様子を語り続け、イシェは諦めたようにその場を離れた。テルヘルはラーンの言葉から、この水晶が単なる石ではないと確信した。それはヴォルダンとの復讐を果たすための鍵となるかもしれない。彼女はゆっくりと立ち上がり、ラーンに言った。「次の探検、私に同行させてもらいます。」
ラーンの顔には満面の笑みが広がった。「そうか!よし、俺たちで最強のチームだ!」