灼熱の太陽が容赦なくビレーを照りつける。ラーンの背中に汗が滲んでいくのが感じる。イシェは日傘を差し出すが、ラーンは「そんなもんいらない!」と豪快に笑って拒否した。
「今日はいい感じだぞ!あの遺跡、熱を感じてるんだ!」
イシェは眉間にしわを寄せた。「熱…?」
ラーンは熱狂的に遺跡の入り口へと向かう。そこに待っていたのはテルヘルだった。いつもより鋭い眼光が、まるで炎のように燃えていた。
「準備はいいか?今日は特別な日だ」
テルヘルの言葉に、ラーンとイシェはお互いに顔を見合わせた。「何かあるのか?」イシェが尋ねると、テルヘルは薄く唇を動かした。「ヴォルダンとの交渉が決まった。遺跡から持ち出した遺物で…彼らを揺るがすものが見つかるはずだ」
「ヴォルダン…」ラーンの握りしめた拳が震えた。「熱…熱がこみ上げてくる」
イシェはラーンが言う「熱」の意味を理解していた。それは単なる気温ではなく、復讐心、そして未来への希望の熱だった。彼らは遺跡へと足を踏み入れた。内部はひんやりと冷えていたが、彼らの心には灼熱の炎が燃え盛っていた。
遺跡深くで、イシェは謎の石板を発見した。その表面には複雑な模様が刻まれており、まるで熱を宿しているように見えた。「これは…」イシェは息をのんだ。
「これだ!」テルヘルは石板を手に取った瞬間、興奮した表情を見せた。「これでヴォルダンに…!」
その時、遺跡の奥から轟音が響き渡った。壁が崩れ、熱風と共に巨大な影が姿を現した。それはヴォルダンの魔物だった。
ラーンは剣を抜いて立ち向かう。「行くぞ!イシェ、テルヘル!」
灼熱の戦いが始まった。