ビレーの薄暗い酒場で、ラーンが豪快に笑う。イシェは眉間に皺を寄せながら、ラーンの肩を軽く叩いた。「また大口叩いてるよ。今回は本当に財宝が見つかるって?」
ラーンの瞳は輝きを放っていた。「今回は違う!俺に感じるぞ、イシェ、今回は絶対だ!」
イシェはため息をつき、酒の入った杯を傾けた。「そうだな。今回は本当に違うってなわけか」と呟いた。
その頃、テルヘルは漆黒の闇に包まれた部屋で地図を広げていた。ヴォルダンへの復讐を果たすには、この遺跡の秘宝が必要だ。彼女は冷たい目で地図上のポイントを指さした。「ここだ。ここは絶対に外せない」と呟いた。
翌日、三人は遺跡へと向かった。入り口は漆黒の岩壁に覆われ、不気味な静寂が漂っていた。ラーンはいつものように剣を構え、「よし、行くぞ!」と叫んだ。イシェは深呼吸をして、テルヘルの指示に従いながら慎重に一歩踏み出した。
遺跡内部は暗く湿り気があり、冷たい風が吹き抜けていた。壁には古代文字が刻まれており、時折、不気味な音が響いていた。ラーンは興奮した様子で、遺跡の奥へと進んでいった。イシェは彼の背後から注意深く周囲を警戒し、テルヘルは地図を片手に正確なルートを指示していた。
彼らは深い闇の中を進み、やがて広大な地下空間に出た。そこには漆黒の石像が立ち並び、中央には巨大な祭壇があった。祭壇の上には、輝く宝石が埋め込まれた金色の箱が置かれていた。
ラーンの目は輝き、彼は興奮気味に「見つけた!財宝だ!」と叫んだ。イシェは少し緊張した様子で、テルヘルの方を見た。彼女は静かに頷き、剣を構えた。
その時、祭壇の奥から漆黒の影が立ち上がった。それは巨大な怪物であり、鋭い牙と爪を持つ恐ろしい姿をしていた。ラーンは驚愕し、イシェは思わず後ずさりした。テルヘルは冷静に状況を判断し、剣を構えながら「気をつけろ!」と叫んだ。
三人は漆黒の怪物と激闘を繰り広げた。ラーンの力強い攻撃、イシェの機敏な動き、テルヘルの冷静な指示が交錯する中、激しい戦いが繰り広げられた。
彼らの前に立ち塞がる漆黒の壁は、簡単に打ち破られることはなかった。