溶接

金属を熱で溶かして接合すること。

物語への影響例

永続的な結合の創出。破壊不能な接続の象徴。異質なものの強制的統合。

生成サンプル(サンプルの仕様

ラーンの大斧が石壁を叩き割る音が、埃っぽい遺跡の空気を震わせた。

「おい、イシェ、こっちだ!」

ラーンは、崩れた石の下から何かを拾い上げ、得意げに示した。錆びついた金属片だった。イシェは眉をひそめた。

「またくだらないものか…」

「なんだって、もしかしたら貴重な遺物かもしれないぞ!ほら、見てみろ、この模様!」

ラーンは興奮気味に金属片を振る舞う。イシェはため息をつきながら、それを手に取った。確かに、複雑な模様が刻まれていた。

「…何かの部品みたいだな。溶接痕もあるし、かつては大きな機械の一部だったのかも」

「おお!そうか!」ラーンの目は輝いた。「もしや、この遺跡は古代文明の工場跡なんじゃないのか?もしかしたら、まだ稼働する機械が残っているかもしれないぞ!」

イシェはそんなラーンの熱意に苦笑した。彼にはいつも、どこからともなく希望が湧き出てくる。それは、イシェにとっては時に頼りになる一方で、時に絶望的なものにも感じた。

「可能性はゼロじゃない…けど、現実的に考えたら…」

その時、背後から冷たげな声が響いた。

「可能性?現実?そんなものはどうでもいい」

テルヘルが立っていた。鋭い眼光で、二人を見下ろしていた。

「重要なのは、この遺跡がヴォルダンに利用されるのを防ぐことだ。そして、そのために必要な情報を得ることだ」

彼女は金属片を奪い取り、ポケットにしまった。

「この部品は、ヴォルダンの兵器開発に繋がる可能性がある。それを阻止するために、私はあらゆる手段を使う」

テルヘルはそう言い残し、遺跡の奥へと歩き出した。ラーンとイシェは互いの顔を見合わせた。

「あの…」

イシェが言葉に詰まった。

ラーンの肩越しに、テルヘルの背中は、まるで溶岩のように熱く輝いていた。