「おい、イシェ、あの光!なんだ?」ラーンが興奮気味に指差す先には、遺跡の奥深くから淡い青い光が漏れていた。イシェは眉間にしわを寄せながら、ラーンの腕を引く。「待てよ、ラーン。あんなところに光が出るとか、何か罠じゃないのか?ここは慎重にならなきゃ」
しかしラーンの足はすでに行き止まりに近づいていた。「大穴だ!きっと大穴が見つかるぞ!」と、彼は興奮を抑えきれずに遺跡の奥へと飛び込んだ。イシェはため息をつきながら彼の後を追った。
遺跡の奥深くは、予想以上に広かった。壁には複雑な文様が刻まれ、床には光る結晶が点在していた。そして、その中心には青い光を放つ巨大な石碑が立っていた。ラーンは目を輝かせ、石碑に手を伸ばした。「よし、これで我々の未来が変わる!」
その時だった。石碑から青い光が激しく発し、周囲の壁に刻まれた文様が活気を帯びたように輝き始めた。そして、次の瞬間、光は全てを飲み込み、ラーンの姿と共に消えてしまった。イシェは目を丸くして声を上げた。「ラーン!」
しかし、石碑の前には何もなく、ただ青い光が消えた後、壁に刻まれた文様がかすんでいくのが見えた。「ラーン…」イシェは声も出ないほど shockを受け、膝をついて地面に崩れ落ちた。石碑の周りには、ラーンの存在を証明するものは何も残されていなかった。
テルヘルは冷静に状況を分析した。「あの光は、何かを消し去る力があったようだ。ラーンは…その力で消失してしまったのかもしれない」彼女はイシェの手を掴み、立ち上がらせた。「諦めるな、イシェ。ラーンのことは忘れないで。私たちは彼の意志を受け継ぎ、この謎を解き明かすのだ!」
イシェは涙を拭いながら頷いた。ラーンの存在は消えてしまったが、彼が残した希望と友情は、イシェの心にしっかりと刻まれた。そして、テルヘルと共に、ラーンの消失の真相に迫る旅が始まった。