ビレーの夜空に、まるで散り散りになった宝石のように星が輝いていた。ラーンはイシェとテルヘルと共に、遺跡への入り口へと続く暗い通路を歩いていた。
「こんな夜に遺跡探索って…」イシェが呟く。「流星群の夜だって聞いたわよ。何か悪い予感しかしない。」
「そんなこと気にすんなよ、イシェ」ラーンは豪快に笑った。「今日はきっと大穴が見つかるぞ!ほら、あの遺跡、昔は王の墓だなんて言われてたよな?きっと宝物が眠ってるはずだ!」
テルヘルは彼らを静かに見つめていた。彼女の顔色は青白く、深い影が目の下に刻まれていた。ヴォルダンへの復讐心は、彼女を常に燃え盛る炎のように苦しめていた。
「 hurry up, you two. 」テルヘルは冷たい声で言った。「時間がない。」
遺跡の入口には、巨大な石板が横たわっていた。ラーンが力強く石板を押すと、奥へと続く階段が現れた。階段を降りると、そこは広くて湿った空間だった。壁には不思議な模様が刻まれており、空気を冷たくするような威圧感があった。
「ここ…何か変だな…」イシェは不安そうに言った。
その時、天井から小さな石が崩れ落ちた。ラーンの背後から、不気味な音が響き始めた。それはまるで、地中深くから湧き上がる獣の咆哮のようだった。
「おい、何だこれは!」ラーンが剣を構えた。
すると、壁の模様が突然光り始めた。そして、天井から流星群のように無数の石が降り注いできた。ラーンはイシェを抱き寄せ、テルヘルと共に必死に逃げ出した。石の雨は容赦なく降り続け、遺跡の奥深くへと続く通路を破壊していった。
「早く逃げろ!」テルヘルが叫んだ。「この遺跡は呪われている!」