泥濘

ぬかるんで足元が悪い場所。

物語への影響例

進歩の障害。困難な状況の粘着性。停滞と努力の象徴。

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「よし、ここだ!」ラーンが叫んだ。崩れかけた石柱の影から、イシェが顔を覗かせた。「またか?」とため息をつきながらも、彼女は懐中電灯の光を壁に当てていった。ラーンの直感にはいつも感心させられるが、そのせいでいつも泥沼のような場所へ連れてこられるのも事実だった。

「ほら、何か見えるぞ!」

イシェはラーンの指差す方向を見た。壁の一部が崩れ落ち、その隙間から黒曜石のような光沢のある物質が覗いていた。「これは…!」テルヘルが興奮気味に呟いた。「古代文明の記録物だ!この遺跡にはまだ未知の知識が眠っているかもしれない」

彼女は慎重に石を運び出し、その表面に刻まれた複雑な模様を指でなぞった。しかし、彼女の表情はすぐに曇り始めた。「これは…ヴォルダンで使われている記号だ…」

ラーンの顔色が変わった。「ヴォルダン?まさか…」

「この遺跡はヴォルダンが狙っている可能性が高い」テルヘルは冷徹に言った。「彼らはこの記録物を使って何か企んでいる。我々も動く必要がある」

その時、地面が激しく揺れ始めた。石柱が崩れ落ち、天井から埃が降ってきた。「おい、何かあったのか!」ラーンの叫びが風でかき消された。

「逃げろ!」テルヘルが叫びながら、泥沼のような地面を駆け出した。

イシェは振り返り、ラーンがまだ崩れゆく通路の中にいることに気づいた。「ラーン!」

彼は迷わず彼女に手を差し伸べた。「行くぞ!」

三人は崩壊していく遺跡から必死に逃げ出した。後ろから聞こえてくる轟音の中で、イシェは泥だらけの顔でラーンを見つめた。「あの記録物…ヴォルダンに渡しちゃいけないわよね?」

ラーンの表情は真剣だった。「ああ、絶対に」

泥濘のような状況の中、彼らは新たな戦いに挑む決意を固めた。