ラーンが巨大な石扉をこじ開ける音が、埃っぽい遺跡の奥深くまでこだました。イシェは懐中電灯の光を扉の隙間から覗き込み、「また罠か?」とため息をついた。
「大丈夫だ、イシェ!俺が先頭だ!」ラーンは豪快に笑って、扉を押し開けた。
扉の先には広大な部屋が広がっていた。壁一面に奇妙な模様が刻まれ、中央には巨大な水晶の球体が鎮座していた。水晶球からは微かな光が放たれ、空気を震わせていた。
「うわっ…」イシェは息を呑んだ。「こんなもの見たことない…」
テルヘルは水晶球に近づき、慎重に観察した。
「これは…残渣だ。」彼女は呟いた。「ヴォルダンが所有していた記録によると、これは古代文明の技術で作られたもので、強力なエネルギーを秘めているという…」
ラーンの表情が曇った。「エネルギーか…もし本当なら、大穴になるかもしれないな!」
イシェは不安そうに言った。「でも、こんな危険なものに触れるのはやめようよ。何か起きるかもしれない…」
しかし、ラーンはすでに水晶球に手を伸ばしていた。
「見ろ、イシェ!俺たちは運命の持ち主だ!」
彼は水晶球に触れた瞬間、部屋中に激しく光が爆発した。
そして、全ては静寂に包まれた。
残渣は、彼らを待ち受ける未来を暗示するように、ゆっくりと輝き始めた。