埃っぽい tavern の薄暗い中で、ラーンが酒をぐいっと飲み干した。イシェは眉間にしわを寄せながら、テーブルの上の地図を広げていた。「あの遺跡は、一体何だったんだろう…」
「大穴だ！きっと何かすごいものがあったはずだ！」ラーンの瞳は輝いていたが、イシェはそんな彼の様子に苦笑した。「また夢を見たか？あの遺跡はただの崩れかけの石の山だった。歴史なんて古い話で、今は何も残っていない」
その時、テルヘルがテーブルに手をついて立ち上がった。「二人とも落ち着いて。あの遺跡には何かがあったはずだ。歴史を紐解けば、その秘密が見えてくる」彼女は鋭い眼差しでラーンとイシェを見据えた。「私は確信している。あの遺跡には、ヴォルダンとの戦いに役立つものがある」
ラーンの顔色が変わった。彼はヴォルダンへの怒りを秘めており、テルヘルが復讐を誓うその姿に共感していた。「よし、わかった！また遺跡に行こう！」と彼は立ち上がり、剣を手に取った。イシェはため息をつきながら、地図を片付けているテルヘルの後ろをついていった。
「歴史は繰り返す…」テルヘルは呟いた。彼女の目には、過去の戦いの影がちらついていた。「そして、今回は我々が歴史を変える」