「よし、今日はあの遺跡の奥まで行くぞ!」ラーンの元気な声がビレーの朝にこだました。イシェはため息をつきながら、食卓に並んだ粗末なパンを口にした。「また大穴だなんて言ってるけど、あの遺跡は危険だって聞いたよ。何かあったらどうするつもり?」
「大丈夫だ大丈夫!俺が守ってやる」ラーンは豪快に笑って言った。イシェは彼の無鉄砲さに手をこまねいていた。
「ところで、テルヘルは何を調査したいんだろな…」イシェが呟くと、ラーンは「ああ、あれか。あの遺跡には古代の技術が眠ってるらしいぞ。テルヘルはそれを利用してヴォルダンに復讐しようって話だ」と答えた。
3人は遺跡へと向かった。道中、ヴォルダンの兵士による検問に遭うこともあったが、テルヘルが用意した偽の通行証で難を逃れた。遺跡に到着すると、ラーンは興奮気味に内部へと入っていった。イシェは後を追いながら、「本当に大丈夫なのか…」と呟いた。
遺跡内は暗く、湿った空気が漂っていた。壁には奇妙な文字が刻まれており、床には朽ち果てた装置が散乱していた。ラーンは興奮気味に遺物を拾い集め、イシェは警戒を怠らなかった。
奥へと進むと、巨大な扉が現れた。扉には複雑な紋様が彫られており、何かしらの仕掛けがあるようだった。ラーンは力任せに扉を開けようと試みるが、 budge しない。
その時、後ろから声が聞こえた。「これは難しい…」テルヘルが近づいてきて、扉の紋様を指さした。「この遺跡には古代の防衛システムが備わっている。この紋様に合った鍵がないと開かない」
「鍵か…」ラーンは肩を落とした。イシェはテルヘルの顔色を見ながら、「一体どうやって鍵を探せばいいんだ?」と尋ねた。テルヘルは少し考え込んだ後、こう言った。「鍵の在り処を示す地図があるはずだ。遺跡のどこかにあるはずだ」
3人は再び遺跡内を探し始めた。暗闇の中を進むにつれて、緊張感が高まっていった。イシェは不安を募らせながら、ラーンの後ろをついていった。そしてついに、壁の奥深くで、小さな箱を見つけた。中には古びた地図が一枚入っていた。
地図には、遺跡の構造と鍵の位置を示す記号が書かれていた。イシェは地図を広げ、テルヘルに「これで鍵を見つけられるはずだ」と言った。テルヘルは地図を手に取り、険しい表情で頷いた。「よし、鍵を探しに行こう」