「おい、イシェ、あの石碑、どうだ？」ラーンが興奮気味にイシェに声をかけた。石碑には古びた文字が刻まれており、ラーンは興奮気味に指をさした。
イシェは眉間にしわを寄せながら石碑を観察した。「よくわからないけど、何か呪文みたいだな。触らないほうがいいんじゃないか？」
「そんなこと言わずに触ってみろよ！もしかしたら財宝の地図が書かれてるかもな！」ラーンは石碑に手を伸ばそうとした。
イシェはラーンの腕を掴んで制止した。「待て！何か危険な罠かもしれないぞ。」
その瞬間、石碑から不気味な光が放たれ、ラーンを包み込んだ。彼は悲鳴を上げながら地面に倒れ込み、苦しそうにうめき声を上げた。
「ラーン！」イシェは駆け寄ってラーンの様子を見た。彼の体は紫色に染まり、体が痙攣していた。
「イシェ…助けて…」ラーンの声はかすれていた。
その時、テルヘルが石碑の光をじっと見つめていた。「これは…束縛だ。」彼女は低い声で呟いた。「この石碑は、触れた者を古代の契約に縛り付ける呪文だったようだ。」
イシェはパニックになりながらラーンを抱き上げた。「どうすれば解けるんだ？」
テルヘルは冷静な表情で言った。「解く方法は一つだけ。石碑に刻まれた呪文を解読し、逆呪文を唱えることだ。」
しかし、呪文は複雑で難解な古代語で書かれており、テルヘルですら解読には時間がかかると言っていた。ラーンの苦しむ姿を見て、イシェの心は締め付けられる思いだった。
「早く…ラーンを助けて…」イシェは必死に祈るように呟いた。しかし、石碑の呪文は強力な束縛であり、簡単には解けるものではないようだった。