冷たい風が吹き荒れる月夜だった。ビレーの街灯が遠くに見え隠れする中、ラーンはイシェとテルヘルと共に遺跡の入り口に立っていた。
「よし、今回は絶対に何か見つかるぞ!」
ラーンはいつものように拳を握り締め、興奮気味に言った。イシェはいつものように眉間に皺を寄せながら地図を広げた。テルヘルは静かに周囲を見回し、鋭い視線で遺跡の奥へと向けられた。
月の光が薄暗い遺跡内部を照らし出す。彼らは慎重に石畳を進み、崩れかけた壁沿いを進むにつれて、湿った空気と古びた石の匂いが鼻腔をくすぐる。
「ここら辺は以前調査した場所だな…」
イシェが呟くと、ラーンは不機嫌そうに首を振った。「また同じようなつまらない遺物ばっかりか?」
その時、テルヘルが急に手を挙げた。「待て。」彼女は鋭い視線で壁の奥へと向かい、「何か感じる…何かいる。」
三人は静かに息を潜めた。すると、壁の奥からかすかな音が聞こえてきた。まるで石が擦れ合うような音だ。
「あれは…」イシェが不安げに言った時、突然壁の一部が崩れ落ちた。その隙間から、不気味な緑色の光が漏れてきた。
ラーンは剣を抜き、テルヘルは daggers を構える。イシェは心臓が激しく鼓動するのを抑えきれず、震える手で地図を握り締めた。月明かりに照らされた遺跡の奥深くには、未知なる危険が待ち受けている。