ビレーの酒場で、ラーンが豪快に笑っていた。イシェは眉間にしわを寄せていた。「また大穴の話か…」と呟きながら、目の前の空になった杯を注ぎ足すように言った。「あの遺跡で手に入れた遺物もすぐに使い果たしただろう？次の仕事はどうするんだ？」
ラーンの笑顔は一瞬曇ったが、すぐに元に戻った。「大丈夫、大丈夫！次はもっと大きなものが見つかるって信じてるんだ！」と胸を張った。イシェはため息をつきながら、ラーンに言われた通り、酒場から出ると、月の光が街を照らしていた。
「月の光の下で遺跡を探検するのも悪くないかもな…」とラーンの言葉にイシェは少しだけ心動かされた。
数日後、三人はヴォルダンとの国境付近にある遺跡へと向かっていた。テルヘルは地図を広げ、遺跡の構造を説明した。「この遺跡は危険だ。特に月の光が差し込む場所では、何者かが動き出すらしい」と警告を発した。ラーンの表情が曇った。「また怖い話か…」
イシェはラーンに「今回は用心するんだぞ」と告げた。夜になり、遺跡の入り口に到着した三人は、月の光が降り注ぐ中、慎重に内部へと足を踏み入れた。遺跡内は薄暗く、不気味な静けさだった。
突然、壁から不規則な音が聞こえた。「何だ？」ラーンの剣が震えた。イシェは緊張感で体が硬直した。テルヘルは冷静さを失わず、周囲を警戒しながら言った。「気をつけろ！何かいる」と。その時、月の光が差し込む場所に影が動いた。
「あれは…！」ラーンが叫んだ。月の光に照らされたそれは、巨大な獣の姿だった。獣の目は赤く燃え上がり、鋭い牙を剥き出しにして三人に襲いかかってきた。
ラーンは剣を振り上げた。イシェは素早く動き回り、獣の攻撃をかわした。テルヘルは呪文を唱え、光弾を獣に放った。激しい戦いが始まった。
月の光が彼らの戦いを照らし出し、獣の影が壁に揺らめいた。ラーンは必死に剣を振り下ろす。イシェは冷静に獣の動きを分析し、隙を狙う。テルヘルは呪文を次々と唱え、獣を追い詰めていく。
激しい戦いの末、ついに獣を倒した三人は、互いに安堵の表情を見せた。しかし、彼らの戦いはまだ終わっていなかった。遺跡には、まだ多くの謎と危険が潜んでいることを彼らは知っていた。