日差しが容赦なく照りつける砂漠の遺跡。ラーンは巨大な石碑の前に立ち尽くし、眉間に皺を寄せた。イシェが彼の背後からため息をついた。「またか？」
「いや、でもさ。この彫刻…見たことあるような気がするんだよ。」ラーンは指で石碑の複雑な模様をなぞった。「どこかで…」
「そんな曖昧な記憶で宝探しするんじゃないよ。」イシェは呆れたように言った。だが、ラーンの瞳には確信の色があった。
その時、テルヘルが背後から声をかけた。「何をしている？」彼女の冷たい視線に、二人は身震いした。
「あの…何か見つけたんだって」ラーンは慌てて説明する。テルヘルは石碑の模様を冷静に観察し、「興味深い…これはヴォルダン王朝の文字だ。だが、このような場所で見つかるはずがない…」彼女は眉間に皺を寄せ、何かを思案しているようだった。「この遺跡には何か秘密があるはずだ。」
ラーンの曖昧な記憶とテルヘルの鋭い洞察力。二つの異なる視線が交錯する中で、遺跡の謎はさらに深まっていくようだった。
日が沈み始め、辺りは不気味な静寂に包まれた。イシェは不安そうに言った。「もう帰ろうよ。今日はここまでにしよう。」
しかし、ラーンは動こうとしなかった。彼の目は石碑に釘付けになっていた。「あの…あの記号…」彼は呟いた。「もしかして…」
イシェは彼を心配そうに but 凝視した。テルヘルは静かに剣を構え、周囲を警戒していた。遺跡の奥底で何かが蠢いているような気がした。曖昧な影が二人の前に立ちふさがるように広がっていく…。