薄暗い洞窟の奥深く、ラーンのツルハシが岩盤に鋭い音を立てて突き刺さる。汗だくになりながら、彼は息を切らし言った。「よし、ここかな?」
イシェは懐中電灯の光で壁を照らしながら慎重に確認した。「確かに、ここには何かあるようだ。でも、ラーン、いつも通り大げさな言い方じゃないだろうな?」
「いや、今回は違う!俺の勘が言ってるんだ。今回は必ず大穴だ!」ラーンは目を輝かせた。
イシェは苦笑しながら頷く。ラーンの夢を応援する気持ちと同時に、現実的な思考を忘れずにいることに気を配っていた。
その時、後ろから冷たい声が響いた。「大穴か…なかなか興味深い話だ。」
テルヘルが近づいてきて、鋭い視線で壁の模様を眺めている。彼女は何かを感じ取ったのか、静かに頷きながら言った。「ここには確かに何かがある。そして、それが我々の目標に繋がる可能性が高い。」
三人は互いに言葉を交わさず、それぞれの武器を構えた。洞窟の奥深く、まだ見ぬ真実が待っている。わずかな光が差し込む入り口から、夜明け前の薄暗い空気が流れ込んできた。まるで、彼らの冒険が始まることを予感させるかのように。
テルヘルは静かに呟いた。「この遺跡が我々の希望となるように…」彼女の瞳には、暁の光を浴びたかの如く、強い決意が宿っていた。