ラーンの大斧が石の扉を粉砕した瞬間、埃っぽい空気が彼らを包んだ。イシェは咳き込みながら懐中電灯を点けた。「またしても、期待はずれか。」彼女はため息をついた。荒涼とした遺跡の奥深くへ続く通路を見つめ、ラーンは肩をすくめた。「いや、待てよ。何か感じるぜ。今回は違う!」彼の目は輝いていた。
テルヘルは眉間に皺を寄せながら周囲を警戒した。「大穴だと? 過去の遺跡から得た情報では、この場所は単なる貯蔵庫に過ぎないはずだ。」彼女は鋭い視線でラーンを睨んだ。「無駄な期待を抱くのはやめろ。」だが、ラーンの興奮には少しだけ影響されたようだった。
彼らは慎重に通路を進んでいく。壁には古びたシンボルが刻まれており、イシェは指先でそっとなぞった。「星図のようだな…まるで、遠い空の配置を表しているようだ。」彼女は呟いた。ラーンは首を傾げた。「星図か? 何だそれ?」
テルヘルはイシェの言葉を聞きながら、何かを思い出すように目を細めた。「星間…あの伝説は本当なのかもしれない。」彼女はつぶやいた。
続く通路には、巨大な石板が置かれていた。その表面には複雑な模様が刻まれており、まるで星図が立体的に表現されているようだった。イシェは息をのんだ。「これは…」ラーンの興奮を抑えきれず、石板に手を伸ばそうとしたその時、テルヘルが彼を制止した。「待て!」彼女の目は真剣だった。「何かが起きる…この場所には何か力が宿っている。」
その時、石板から青い光が放たれ、部屋全体を満たした。ラーンとイシェは目をblinded by the sudden light but they felt a strange energy coursing through them.テルヘルは立ち尽くし、彼女の顔には驚きと恐怖の色が浮かんでいた。
「これは…」彼女は言葉を失った。光が収まり、遺跡の静けさが戻ると、石板の上には新たなシンボルが現れていた。それは、星図の一部ではなく、全く見慣れない記号だった。イシェは震える声で言った。「これは…星間への道標?」