ビレーの薄暗い酒場で、ラーンが豪快に笑っていた。「今日の遺跡はいい loot だろ？あの石碑、テルヘルに高く売れるぞ！」イシェは眉間に皺を寄せていた。「ラーン、また無駄なものを拾ってきた。あの石碑はただの石だし、テルヘルはそんなものに価値を見出さないだろう」ラーンの顔色から笑みが消えた。「おいおい、イシェ。お前はいつもそうだな。俺がいつか大穴を掘り当てたら、お前も後悔するぞ！」
イシェはため息をついた。「いつまでそんなことを言うんだ？あの石碑だって、遺跡の入り口に置いてあったものだ。一体何を探しているのかわからない」ラーンの視線がかすかに揺らぐ。その時、酒場の明かりが一瞬点滅した。イシェは不気味な予感に襲われた。「何か変だな…」
「おい、イシェ、お前怖がりすぎだぞ！」ラーンが再び陽気に笑ったが、その声には少しだけ震えがあった。その時、扉が開き、テルヘルが入ってきた。彼女の鋭い視線が、ラーンの顔に止まった。「二人が遺跡で何を発見したのか興味がある」
ラーンの表情が硬くなった。「あの…石碑を…」テルヘルの目が光る。「石碑か…。興味深い。では、見せてほしい」三人は明滅する酒場の明かりの下で、石碑を見つめていた。イシェは不安を感じた。「何かおかしい。この石碑、まるで…」
その時、石碑から不気味な光が放たれ、酒場は一瞬にして真っ暗になった。ラーンの叫び声だけが、闇の中にこだました。