灼熱の太陽が容赦なく大地を焦がし、ビレーの街は埃と喧騒に包まれていた。ラーンは喉を潤すために酒場で安酒を傾け、イシェは眉間にしわを寄せ地図を広げていた。
「こんな日照りじゃ遺跡探しもままならないだろうな」
ラーンの言葉にイシェは小さく頷く。「水源が枯れ始めてるらしい。今日は無理かもしれない」
その時、扉が開きテルヘルが入ってきた。彼女の顔色は険しく、右手に握りしめた手紙をテーブルに叩きつけた。
「ヴォルダンからの使者が来た。 border 沿いの遺跡発掘を命じている。拒否すれば武力行使だと」
ラーンは驚き、酒をこぼした。「そんな…！」
イシェは冷静に状況を判断していた。「これは trap だ。ヴォルダンは日照りで疲弊したエンノルを弱体化させようと企んでいる。我々を利用して遺跡の情報を聞き出すつもりだ」
テルヘルは鋭い視線で二人を見据えた。「だから、行くしかない。ヴォルダンに屈するわけにはいかない」
ラーンの顔に闘志が燃え上がる。「わかった！俺たちはビレーを守るためにも、ヴォルダンに立ち向かう！」
イシェはため息をつきながら立ち上がった。「仕方ない。準備をしよう」
三人は日差しに照りつける道を歩き始めた。埃っぽく乾いた風が吹き荒れ、彼らの前に広がるのは厳しい現実だった。