日差しが容赦なく照りつける中、ラーンはイシェの背中に手を置いて、軽い歩調で街の外へ続く道を歩いていた。ビレーの街並みが徐々に後退していく景色を眺めながら、ラーンの口元には安堵した笑みが浮かんでいた。「今日はいい天気だな。散歩日和だ」
イシェは振り返りつつも、ラーンの言葉を無視するように「そんなことより、今日の依頼はどうするんだ？テルヘルが言っていたように、あの遺跡は危険だぞ」と眉間に皺を寄せた。
「大丈夫大丈夫。俺が先頭を行けばいいんだろ？イシェには後方警戒をお願いしよう」ラーンはそう言いながら、道の脇に生える草花を摘んでイシェの髪に飾った。イシェはため息をつきながらも、嫌な顔をすることなく、ラーンのいたずらを受け入れた。「本当に、いつもあいつのペースに巻き込まれるわ…」
二人が街を出てしばらく歩くと、テルヘルの姿が見えた。彼女は背の高い岩壁の前に立って、何かを調べているようだった。「待たせたな。今日はあの遺跡に行くんだ」とテルヘルは涼しい顔で言った。
「あの遺跡か…」イシェが不安そうに呟くと、ラーンはテルヘルの方へ歩み寄り、「よし、俺たちは準備万端だ！さあ、大穴を掘り当ててやるぞ！」と豪語した。テルヘルは少し笑みを浮かべながら「そうだな。今回は君たちに特別な報酬を用意している」と言い、三人は遺跡へと向かって歩き始めた。
日が暮れる頃、彼らは遺跡の入り口にたどり着いた。入り口には崩れ落ちた石柱が何本も残っており、かつて栄華を誇っていた様子が伺えた。「ここか…」イシェは少し恐る恐る近づき、遺跡内部を覗き込んだ。薄暗い通路の先には、何かの光がかすかに見えた。
「よし、行くぞ！」ラーンは先陣を切って遺跡の中へ足を踏み入れた。イシェはラーンの後を歩き、テルヘルは二人を見つめながらゆっくりと遺跡へと続く道を歩み始めた。彼らの足取りは、まるで散歩をしているかのように軽やかだった。しかし、その穏やかな雰囲気とは裏腹に、遺跡の奥深くで、何かが them を待っているようだった。