ラーンが石の扉を押すと、埃っぽい空気が充満した部屋に続く通路が開かれた。イシェが小さなランプの火を揺らすと、壁には奇妙な模様が刻まれていた。
「何だこれは…」イシェは眉間に皺を寄せながら近づき、指で模様をなぞった。「まるで…揺らめく炎みたいだ」
「そんなもん興味ないだろ。早く奥へ進もうぜ！」ラーンは impatience を隠せない様子で言った。テルヘルは背後から彼らをじっと見つめていた。
「待て。」テルヘルが静かに言った。「この模様、何かを暗示しているかもしれない。イシェ、記録に残っている遺跡の図面と照らし合わせて確認してみろ」
イシェは頷き、小さな袋から羊皮紙を取り出した。ランプの光に透かすと、そこに記された複雑な図形が浮かび上がった。イシェは眉をひそめながら図形を比較し始めた。
「ここには…！」イシェの声は震えた。「この遺跡の奥深くには、ある伝説の遺物が眠っているらしい。その遺物は…」
イシェが言葉を続けないまま、突然近くの壁から青い光が差し込んだ。それはまるで生きているかのように揺らめき、部屋中に不気味な影を投げかけた。ラーンは思わず剣を抜いた。テルヘルは鋭い視線で光を見つめていた。
「これは…」テルヘルは呟いた。「私が探していたものかもしれない…」