「よし、準備はいいか?」ラーンが大きな剣を肩に担ぎながら言った。イシェは地図を広げ、複雑な地形を確かめていた。「あの谷を越えたら遺跡の入り口だ。だが、周辺はヴォルダンの兵士が徘徊しているらしいぞ」
「気にすんな!俺たちにはテルヘルがいるじゃないか」ラーンは自信満々に笑った。テルヘルは鋭い視線で地図を睨みつけ、「情報によると、兵士は主に谷の入り口付近に集中しているようだ。我々は裏山から迂回して侵入するのが最善だ」
イシェは少し不安げに言った。「裏山は険しいぞ。しかも夜道だと足元も見えない」
「大丈夫だ、イシェ。俺たちが案内する」テルヘルは冷たく言い放った。「お前たちは単なるガイドに過ぎない。指示に従えれば安全を確保できる。それがお前の役目だ」
ラーンの顔色が少し曇ったが、何も言わなかった。イシェも頷くしかなく、3人は夜の闇へと消えていった。
深い森の中を進むにつれ、イシェの不安は募るばかりだった。テルヘルの指示に従い、険しい岩場をよじ登り、急流を渡るなど、危険な道を通らなければならなかった。ラーンはいつも通り無茶苦DataModel