ラーンが巨大な石扉を叩き割り、埃っぽい内部へと足を踏み入れた。イシェは懐中電灯の光を振り回し、薄暗い通路を照らした。
「やっぱりここも行き止まりか。」
イシェがため息をつくと、ラーンの顔色が変わった。「おい、ちょっと待ってろ!」
彼は壁に手を当て、軽く叩き始めた。すると、壁の一部がわずかに沈み込んだ。
「何だこれ?」
イシェが近づき、壁を確かめた。「まるで…スイッチみたいだ。」
彼女は慎重に壁を押すと、床の石板がゆっくりと回転し始めた。その奥には、今まで見過ごしていた狭い通路が現れた。
「抜け道だ!」
ラーンの目が輝き、興奮気味に言った。「よし、行ってみるか!」
イシェはためらいを見せた。「ちょっと待った。この遺跡は危険な噂があるぞ。急いで進む前に確認すべきだ。」
しかし、ラーンの熱意には敵わなかった。彼はすでに通路に足を踏み入れていた。イシェは仕方なく後を追い、テルヘルも冷静に周囲を警戒しながら続いた。
通路は狭く、天井が低く、まるで迷路のようだった。時折、壁から奇妙な音が聞こえ、不気味な影が揺らめく。
「ここは一体…」
イシェが呟くと、突然、ラーンの足元が崩れ落ちた。彼は転げ落ちて、暗闇に消えた。
「ラーン!」
イシェが叫んだが、返事はなかった。テルヘルは冷静さを保ち、懐中電灯を振るいながら、ラーンの姿を探し始めた。
すると、通路の奥からかすかな光が見えた。テルヘルはゆっくりと進んでいくと、そこにはラーンが立っていた。彼の足元には、石畳でできた階段が続いていた。
「よかった、無事だった。」
イシェが安堵した表情を見せると、ラーンの顔色が変わった。「ここは…違うぞ。さっきの通路とは…」
彼は振り返ったが、元の通路は消えてなくなっていた。代わりに、広大な地下空間が広がっていた。そこには、古代文明の遺跡が眠っていた。
「これは…」
イシェが言葉を失う。テルヘルは眉をひそめ、周囲を警戒した。この抜け道は、彼らを新たな世界へと導いたのだ。しかし、その先に何が待ち受けているのか、誰も知る由もなかった。