ラーンの重い剣が埃を巻き上げ、石化した壁に深く食い込んだ。汗だくで息を切らしながら、彼は「よし、開いたぞ！」と叫んだ。イシェは眉間にしわを寄せながら、崩れた壁の隙間を覗き込んだ。「奥は狭いな。注意が必要だ。」
テルヘルが後ろから近づいてきて、冷たげに言った。「急ぐ必要はない。慎重に確認するんだ。あの遺跡はヴォルダン軍が目を付けている可能性もある」
ラーンはイシェの言葉を無視して、興奮気味に言った。「よし、宝の部屋かな？これで俺たち大金持ちだ！」だが、イシェは彼の背中に手を置いて静かに言った。「落ち着いて、ラーン。まずは確認だ。」
狭い通路を抜けると、そこは小さな石室だった。中央には祭壇があり、その上に何やら金属製の箱が置かれている。
「これは…！？」ラーンの目は輝き、箱に駆け寄ろうとしたが、イシェが彼を制止した。「待て、ラーン。触る前に確認だ。」テルヘルが近づいてきて箱の上を確認し、慎重に蓋を開けた。中には複雑な模様の刻まれた石板が入っていた。
「これは…？」テルヘルは眉間に皺を寄せた。「古代文明の記録か？それとも呪いの道具か…」イシェは石板を手に取り、表面を丁寧に撫でながら言った。「これはただの石板じゃない。何か特別な力を持っている気がする…」
ラーンが興奮気味に言った。「よし、これで大金持ちだ！この石板を売れば…」
「待て、ラーン。」テルヘルが鋭い視線で彼を見据えた。「この石板は我々の目的には直接関係ない。だが、ヴォルダンに渡せば高額な情報料になるだろう。手数料として十分だ。」