ラーンの粗雑な剣さばきが埃を巻き上げ、イシェは咳き込んだ。「またこんな薄暗い場所で…」と呟きながら、彼女は懐から小さな革の袋を取り出した。そこには、いつも持ち歩いている羊皮紙の手帳と鉛筆が入っていた。
「よし、今日の探索ルートは…」イシェが手帳を開こうとした時、ラーンの声色が変わった。「おいイシェ、見てみろ!」
彼の指差す方向に、石畳の隙間から何か光っているものが覗いていた。興奮したラーンが無理やり石を引っ掻き出すと、そこには小さな金色の箱が現れた。
「やったー!ついに大穴か!」ラーンの目は輝き、箱を手に取ろうとしたその時、イシェは彼の手を掴んだ。「待て、ラーン!まずは確認だ」彼女は落ち着いて手帳を開き、ページをめくり始めた。
「遺跡の地図…あ、ここに記されている場所だ。この箱は…」イシェの眉が Knit された。「これは罠の可能性もある。触らない方がいいかもしれない」
「そんな…」ラーンの顔色が曇る。「でも、イシェ、こんな機会は滅多にないんだぞ!」
イシェは深くため息をつき、手帳を閉じた。「わかった、わかった。でも、慎重に進めること。そして、もし何かあったらすぐに逃げろ。約束だ」
ラーンの表情が緩み、彼はニヤリと笑った。「分かったよ、イシェ!さあ、開けてみようぜ!」
イシェは不安を感じながら、ラーンが金色の箱を開ける瞬間を見つめた。その中に何が隠されていたのか?それは彼女の手帳に書き留められるべき重要な情報だった。