「おいラーン、あの遺跡、また行こうぜ！」イシェの言葉に、ラーンは目を輝かせた。「ああ、いいぞ！今度こそ何か面白いもんが見つかる気がするんだ！」
二人はビレーの酒場で、いつも通りの荒れたテーブルを前に、粗雑な地図を広げていた。地図には、周辺の遺跡と、それらを巡るヴォルダンの哨戒路が記されていた。
「あの遺跡は、ヴォルダンが以前徴収した場所らしいぞ」イシェが眉間に皺を寄せながら言った。「危険だぞ、ラーン。何かあったら、僕たちだけでは対応できない」
「大丈夫だ、イシェ。俺たちが発見した遺跡にはヴォルダンの手は届かないはずだ。それに、テルヘルが一緒ならなんとかなるさ」ラーンは自信満々に笑った。だが、イシェの不安は拭い去られることはなかった。
テルヘルは今日も鋭い眼差しで地図を眺めていた。「あの遺跡には、ヴォルダンが徴収した際に、何か重要なものが残されている可能性がある。それを手に入れるために、我々はリスクを取る必要がある」彼女の言葉に、ラーンとイシェは互いに顔を見合わせた。
「リスクか…」「でも、テルヘル、その ‘重要なもの’とは何なのか？」ラーンの問いかけに、テルヘルは沈黙を貫いた。彼女は単なる遺跡探索家ではない。何か大きな計画を抱えていることは明らかだった。
翌朝、三人はビレーの喧騒を後にし、険しい山道を登り始めた。目的地は、ヴォルダンが厳重に監視する遺跡だ。危険な道のりを進むにつれ、イシェの不安は増していく。彼らは何のためにこの危険な旅に出たのか？テルヘルの計画とは何なのか？そして、ヴォルダンが徴収した ‘重要なもの’とは一体何なのか？
答えを求めて、三人は遺跡へと続く道を進んでいく。