ビレーの夕暮れ時。ラーンは酒場で大杯を傾けていた。「おい、イシェ!今日の収入は?」
「いつものように、ほとんどないわよ。あの遺跡なんて、ただの石ころしか残ってないのよ」
イシェが眉間に皺を寄せるのをラーンに見せながら、「まあ、俺たちにできるのは探すだけだ。大穴が見つかるまで、諦めないぞ!」と豪語した。
その時、背後から声が聞こえた。「今日はいい収穫があったわね」
テルヘルが静かにテーブルに近づく。「この石碑は、ヴォルダン侵攻の際に破壊された古代文明の記録の一部だと確信する。復元すれば、その失われた技術、そしてヴォルダンに対する新たな武器になるはずだ」
ラーンの目は輝きを増した。「武器か!それでヴォルダンを倒せるのか?」
テルヘルは少しだけ微笑んだ。「そうなる可能性は高いわ。だが、それはまだ遠い未来の話ね。まずはこの石碑の復元だ」
イシェが眉をひそめた。「復元?そんな簡単にできるものなの?」
「簡単ではないわね。だが、私は方法を知っている。そして、あなた達に協力してもらいたい」
ラーンの胸が高鳴る。イシェは不安げな表情を見せるが、ラーンの決意を覆すことはできなかった。三人は互いに視線を交わし、新たな冒険へと足を踏み入れることを決めた。