ラーンが巨大な石扉の前に立ち尽くしている。イシェの「本当にここ?」という呟きに、ラーンは苦笑した。「いや、確信はないけど、この記号…見たことある気がするんだ」。イシェは眉間にしわを寄せながら、ラーンの肩越しに壁に刻まれた複雑な模様を眺めた。
「確かに、以前見た遺跡の記録に似てるかも…」と呟くイシェの声を遮るように、テルヘルが後ろから近づいてくる。「確認は終わったか?時間がないぞ」。テルヘルの冷たい視線を感じながら、ラーンは深呼吸をして扉に手をかけた。
重い扉は、予想以上にスムーズに開いた。その先に広がるのは、広大な地下空間だった。石柱が林立し、天井からは光る苔が生い茂り、不気味な美しさで満ちている。
「おおっ!」ラーンの声が響き渡った。「これは…すごいぞ!」イシェも言葉を失い、テルヘルは冷静に周囲を見回しながら、何かを察知したかのように眉をひそめた。
すると、奥の方から何者かの足音が聞こえてきた。ゆっくりと近づいてくるその音は、単なる人間の歩行音ではない。重厚感があり、まるで大地が震えるような音だった。
ラーンは剣を抜き、イシェは背後から小刀を構えた。テルヘルは静かに口を開いた。「奴らだ…」。
影の中から姿を現したのは、 hulking figures であった。彼らは黒い鎧に身を包み、巨大な武器を携えている。その顔には、獣のような牙がむき出しになっており、赤い目が不気味に光っている。
「徒党…」テルヘルが呟いた。「ヴォルダンからの使いか…」。ラーンの表情は一変し、剣をしっかりと握りしめ、「準備はいいぞ!」と叫んだ。イシェも小さく頷き、三人は巨大な影に向かって立ち向かった。