後釜

前任者の退いた後の地位や立場。

物語への影響例

継承の重み。比較と劣等感。前任者の影。自己確立への葛藤。

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「おいラーン、今日はどこ行くんだ?」

イシェの問いかけに、ラーンはいつものように豪快に笑った。

「ほら、あの遺跡だ!地図で見つけたんだ、未踏の場所らしいぞ!」

イシェはため息をつきながら、ラーンの背後から地図を広げた。確かに未踏の場所だったが、危険度を示すマークが赤くびっしりと塗りつぶされていた。

「また無茶なことを…。」

「大丈夫だ、イシェ!俺たちにはテルヘルが一緒だぞ!あの人の知識と力があれば、どんな遺跡も攻略できる!」

ラーンの言葉に、イシェは小さく頷いた。テルヘルは確かに強力な人物だった。彼女の冷静な判断と戦闘能力は、過去何度も彼らの窮地を救ってきた。だが、その裏には常に冷酷な一面が潜んでいたことも知っていた。

遺跡の入り口に立つと、テルヘルは地図を広げながら言った。

「ここには古代文明の兵器が残されている可能性が高い。だが、同時に強力なトラップも仕掛けられているだろう。慎重に進まなければ、命を落とすことになる。」

彼女の言葉は重く響き渡った。ラーンは少し緊張した様子を見せつつも、いつものように明るく言った。

「よし、行くぞ!」

遺跡内部は薄暗く、湿った空気が漂っていた。壁には謎の文字が刻まれており、床には崩れかけの石像が転がっていた。彼らは慎重に足取りを運びながら、奥へと進んでいった。

しかし、突然、床から鋭い棘が突き上がり、ラーンを襲った。彼は咄嗟に身をかわしたが、左腕に深い傷を負ってしまった。

「ラーン!」

イシェが駆け寄ると、ラーンの顔は蒼白になっていた。

「大丈夫だ…俺が…」

ラーンの言葉は途中で途絶えた。彼の視線は、後ろからゆっくりと近づいてくるテルヘルの姿に向けられていた。

テルヘルは冷静に剣を抜き、ラーンを睨みつけた。

「今回は運が悪かったな。君の能力は必要ない。」

彼女の言葉に、イシェは言葉を失った。ラーンの傷口から血が流れ出す中、彼女はようやく理解した。

テルヘルは彼らを使い捨ての駒としか見ていなかったのだ。そして、後釜を用意していた。