ラーンの大 hammer が石壁を叩き砕いた。埃が舞う中、イシェは鼻をつまんで「また無駄な力加減だ」と呟いた。
「ほら、何かあるぞ!」
ラーンは興奮気味に崩れた壁の奥を指さす。そこには、まるで石像のように硬く、冷たい光を放つ奇妙な物体があった。それは幾何学的な模様が複雑に刻まれた球体で、表面には細かい彫刻が施されていた。
「これは…見たことない」
イシェは慎重に近づき、その球体を触れてみた。冷たく、滑らかな感触だった。
「何か反応するぞ!」
ラーンの言葉と共に球体はゆっくりと回転し始めた。彫刻の模様が光り輝き、部屋全体を奇妙な模様で満たした。イシェは背筋に寒さを覚えた。
その時、突然、壁から鋭い音が響き渡った。石が崩れ落ち、そこから黒ずんだ影が現れた。
「なんだあの影は…」
ラーンが剣を抜こうとしたその時、球体はさらに高速で回転し、 blinding な光を放ち始めた。
その光は、まるで彫刻の模様を生き返らせたかのようだった。影は光に包まれ、悲鳴と共に消滅した。
光が収まった後、部屋には静寂が広がった。イシェとラーンは互いに顔を見合わせた。
「何だったんだ…」
イシェは言葉を失った。ラーンの表情も硬く、いつもの軽い口調はなかった。彼らは、この遺跡で何か大きなものを目撃してしまった気がした。そして、その何かは彼らを深く巻き込む予感があった。