「おいラーン、今日は何の遺跡だ?」イシェが眠気をこすりながら言った。ラーンの背中は、朝露に濡れた草木をかき分けながら、遺跡へと続く道を進んでいった。
「今回は古い城跡らしいぞ!地下迷宮もあるみたいでな、もしかしたら王家の墓があるかも!」ラーンは興奮気味に答えた。イシェは小さくため息をついた。「また大穴だなんて…」と呟いた。だが、ラーンの後ろ姿を見て、少しだけ心が躍った。
遺跡の入り口には、石造りの門が崩れ落ち、朽ち果てた塔が空に向かって聳えていた。かつて栄華を極めた城の姿は今は見る影もない。
「よし、行こうぜ!」ラーンが剣を抜くと、イシェも小さな短刀を手に取った。テルヘルは静かに周囲を見回し、何かを探しているようだった。
地下迷宮へ続く階段を降りると、薄暗い通路に続く。壁には奇妙な絵画が描かれており、イシェは不吉な予感を覚えた。
「ここは一体…」イシェが呟くと、ラーンは「静かにしろ!」と制止した。前方から小さな音、そして足音が聞こえてきた。
影が揺らめき、通路の先に少女が現れた。彼女は薄汚れた白いワンピースを着て、怯えた様子でラーンの前に立ちはだかった。少女の瞳には深い悲しみが宿っていた。
「あ…」ラーンは言葉を失い、イシェは剣を構える。テルヘルは冷静に状況を見極めていた。少女は小さく震えながら、何かを訴えようとした。
その瞬間、通路奥から激しい音が響き渡り、壁が崩れ落ち始めた。少女は驚いて後ろによろめき、ラーンが咄嗟に彼女を抱き止めた。