「おい、ラーン、ちょっと待ってくれよ！」イシェの制止の声も届きそうにないほど、ラーンは遺跡の奥深くへ入っていった。彼の手には、錆び付いた剣が握られていた。
「また何か見つけたのかい？」テルヘルは少し疲れた声で言った。「あの洞窟、危険だって聞いたんだけど。」
イシェはテルヘルの言葉に頷きながら、ラーンの後を追いかける。「いつもそうでしょ。計画性ゼロで飛び込むから困るのよ…」と呟いた。
ラーンは興奮気味に振り返った。「ほら見て！すごいぞ！」
彼の手が指し示す先には、壁に埋め込まれた石の箱があった。イシェは箱の表面に刻まれた複雑な模様をじっと見つめた。
「これは…見たことのない記号だ…」と呟いた。
テルヘルは眉をひそめて箱を観察した。「この記号は…ヴォルダン軍が使う紋章に似ている…」
ラーンの顔色が一瞬青ざめた。「そんな…」
「開けてみようか？」イシェの言葉に、ラーンは戸惑いを見せた。
「いや、ちょっと待てよ…」彼は落ち着きを取り戻そうとしたが、すでに手は箱の蓋に伸びていた。
「ラーン！」イシェが叫んだが、遅かった。箱が開かれると同時に、中から毒ガスが噴き出した。
ラーンは咳き込みながら後ずさった。「うわっ、何だこれは！」
テルヘルは素早く reacting して、ラーンの顔を覆い隠した布切れをイシェに渡した。「すぐに逃げろ！この遺跡は危険だ！」
イシェは coughing cough doing while ラーンを引っ張って洞窟から逃げる。テルヘルは後を追いながら、呪詛を吐いた。「あの男は一体何を考えているんだ…」と。
ラーンの無謀な行動にイシェは呆れ果てた。「また小言を言ってる場合じゃないわよ！」とイシェは言いながらラーンを引っ張った。