ラーンの大 swing により、埃が舞う遺跡の奥深くへ侵入した。イシェは眉間に皺を寄せながら、足元の崩れかけた石畳を警戒する視線で見ていた。「もう少し慎重に…」。ラーンの豪快な行動にはいつもイシェが付き合わされているという側面があった。
「大丈夫だ、イシェ！ほら、いい感じの空間じゃね？」とラーンは、壁に沿って続く通路を発見し声を上げた。彼の瞳は興奮で輝いていた。「きっと何かあるはずだ！大穴発見！」
イシェはため息をつきながら、テルヘルの方を見た。彼女は冷静に周囲を見回し、わずかな光を反射する石の破片を拾い上げて観察していた。「ここはヴォルダン軍が以前調査した場所だと記録に残っている。罠の可能性もあるぞ」。
「罠か…」。ラーンの顔色が一瞬曇ったが、すぐにいつもの明るい表情に戻った。「それなら壊せばいいだけだろ！イシェ、準備はいいか？」
イシェは小さく頷いた。彼女はラーンの行動を否定するよりも、そのリスクを最小限に抑えることに集中していた。テルヘルもまた、ラーンの熱意と無謀さを理解していた。
「よし、行こう！」とラーンが先頭へ進む。イシェは彼を静かに見守りながら、後を続いた。テルヘルは二人を見つめ、自身の目的のために彼らの行動を利用していることを改めて認識した。
遺跡の奥深くで待ち受けるものは何なのか？そして、その先にどのような対応が必要とされるのか？彼女たちの運命は、この遺跡に眠る謎と共に、ゆっくりと動き始めていく。