「おい、イシェ、あの石碑、なんか変じゃねーのか?」ラーンが指さす先に、苔むした石碑が立っていた。イシェは眉をひそめ、石碑の刻印を確かめた。「確かに、ここには本来Shouldn’t be の記号がないはずだ。これは…」。
「なんだって?何か問題か?」ラーンの問いかけにイシェは深呼吸し、「この遺跡は、ヴォルダンとエンノル連合が共に調査していたものだと記録されているんだ。しかし、この記号はヴォルダンの遺跡でしか見られないものだ。つまり…」
ラーンはイシェの言葉の意味を理解した。「つまり、これは密輸品だな?」
イシェは頷いた。「ヴォルダンに持ち帰られたはずの遺物が、ここで発見されたということになる」
「よし、じゃあ早速持ち帰ろうぜ!」ラーンの目が輝き始めた。だが、テルヘルが静かに口を開いた。「待て、ラーン。これは単なる密輸品ではない。ヴォルダンはなぜ、この遺跡を隠したのか?そして、この記号の意味とは?」
彼女の視線は鋭く、石碑に注がれていた。「この遺跡には何か秘密があるはずだ。我々はその秘密を暴き、ヴォルダンに復讐の足掛かりにするのだ」
ラーンとイシェは互いに顔を見合わせた。彼らはいつも通り、大穴を探す冒険に出たつもりだったが、いつの間にか危険な陰謀に巻き込まれ始めていた。