密室

外部から隔絶された部屋。特に犯罪などが起きる閉ざされた空間。

物語への影響例

閉鎖環境での人間性の露出。外部からの視線の不在。解決困難な謎の象徴。極限状況の実験場。

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ラーンの粗雑な斧の一撃で石壁が崩れ落ちた。埃が舞う中、イシェは咳き込みながら「また無駄な動きをしたじゃないか」と呆れた様子を見せた。

「おいおい、こんなところに宝が眠っていてもおかしくないだろう?」ラーンはそう言いながらも、イシェの言葉に反論する気力はなかった。彼らはテルヘルに従い、ビレーから数日歩いた先の遺跡を探していたのだ。テルヘルは「ヴォルダンとの戦いに必要な情報」があると断言し、彼らを連れてきたが、これまで見つけたのは朽ちた石棺と錆び付いた武器ばかりだった。

「本当にここが正しいのか?この遺跡には何もないんじゃないか?」イシェは疑いの目をテルヘルに向けた。テルヘルは冷静に言った。「まだ諦めるのは早すぎる。この遺跡には何か隠されているはずだ。我々はただ、その入口を見つけられずにいるだけだ」

すると、背後からラーンの声がした。「おい、見てみろ!」 彼は崩れた壁の奥を見つめていた。そこには、石畳で敷き詰められた狭い通路が現れていた。

「これは...!」イシェは息を呑んだ。通路は狭く、天井まで届きそうなほどの高さがあった。まるで密室のような閉鎖的な空間だった。

ラーンが先陣を切って通路に足を踏み入れた。テルヘルとイシェも続く。通路は曲がりくねり、壁には不規則な彫刻が刻まれていた。そして、進むにつれ、空気が重くなっていった。

「何か...変だな」イシェは不安そうに呟いた。ラーンの足音だけが、静寂を破る唯一の音だった。すると、突然、通路の奥から光が差し込んできた。

「あれは...!」ラーンは目を輝かせた。光に向かって駆け出すと、そこは広々とした部屋だった。部屋の中央には、巨大な石棺が安置されていた。石棺の上には、輝く宝石が埋め込まれた王冠が置かれていた。

「ついに...見つけたぞ!」ラーンの興奮を抑えきれない様子を見て、イシェは深くため息をついた。だが、その時、背後から冷たい声が響いた。

「これで終わりだ」