「おいラーン、今日はどこ行くんだ？」イシェがいつものように問いかける。ラーンの寝ぐせの悪いくせ毛を撫でながら、テルヘルは答えた。「今日はあの、東の山麓にある遺跡だ。情報によると、そこにはヴォルダンがかつて奪った古代兵器の設計図が眠っているらしい」
ラーンは目を輝かせた。「古代兵器か！そりゃ大穴になるぞ！」イシェは眉をひそめた。「そんな噂話に騙されないでよ。それにヴォルダンが関わる遺跡なんて危険すぎるだろう」テルヘルは冷たい視線でイシェを睨みつけた。「心配するな。我々が手を組めば、どんな遺跡も制覇できるだろう」
三人はビレーの東郊外へと向かった。道中、ラーンはテルヘルの目的について尋ねた。「あの…テルヘル、あんたは何故ヴォルダンに復讐したいんだ？」テルヘルは少しの間沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。「それは…いつか話そう。今は遺跡に集中しよう」
遺跡の入り口には、ヴォルダンの紋章が刻まれた石碑が立っていた。イシェは不安げに言った「やっぱり危険な気がする…」ラーンは意気揚々と答えた。「大丈夫だ！俺たちなら乗り越えられる！」三人は遺跡へと足を踏み入れた。
遺跡内は暗く湿気が漂い、足元には崩れかけた石畳が広がっていた。壁には奇妙な文様と呪文が刻まれており、不気味な空気が漂う。
「ここからは慎重に進もう」テルヘルが言った。「この遺跡にはトラップが仕掛けられている可能性が高い」イシェは頷きながら、周囲を警戒して歩いた。ラーンの足取りは軽やかで、まるで遺跡の中にいることを楽しんでいるようだった。
しばらく進むと、奥から金属音が響いてきた。三人はその音に向かって進み、広間へとたどり着いた。そこには巨大な機械が置かれており、その周囲にはヴォルダンの兵士の亡骸が散らばっていた。
「古代兵器…」ラーンは目を丸くした。「これはすごい！」テルヘルは慎重に近づき、機械の表面を調べ始めた。「この機械は…まだ稼働する可能性がある」イシェは不安そうに言った「そんな危険なものを動かすなんて…」
その時、機械が突然動き出した。赤い光が点滅し、機械が唸り声を上げた。三人は驚いて後ずさった。
「これは…」テルヘルは驚愕した表情で言った。「ヴォルダンの罠だったのか…」機械は三人に襲いかかってきた。ラーンは剣を抜き、イシェは素早く身をかわしながら攻撃を交わした。テルヘルは冷静に状況を判断し、機械の弱点を探そうとした。
激しい戦いの末、三人は何とか機械を破壊することに成功した。しかし、その代償は大きかった。ラーンの腕が深く切り裂かれ、イシェも負傷していた。
テルヘルは疲れた顔で言った。「これでヴォルダンの計画は阻止できた…はずだ」ラーンは苦しみながらも言った「でも、テルヘル…あんたは何をしたいんだ？」テルヘルはしばらく沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。「私は…この遺跡の真実を探している。そして、ヴォルダンに復讐するためだ」
三人は遺跡から脱出した。ビレーに戻り、傷を癒しながら、次の行動について話し合おうとした。しかし、彼らの前に新たな試練が待ち受けていたことを知る由もなかった…。