ビレーの tavern の薄暗い店内、ラーンが豪快に笑い声を上げていた。「ほらな、イシェ!あの遺跡には絶対に何かあるってんだ!」
イシェは眉間にしわを寄せながら、彼の肩を軽く叩いた。「また夢を見たのか?ラーン。遺跡探索は宝探しじゃないんだ。危険と隣り合わせだぞ」
「大丈夫だって!俺たちにはテルヘルが居るだろ。あの女なら何か知ってるはずだ!」 ラーンは意気揚々とした顔で、テーブルに置かれた酒を一気に飲み干した。
テルヘルは彼らを鋭い目で睨んでいた。「私は遺跡の危険性と報酬を冷静に評価するだけだ。宝探しをするわけではない」 彼女の言葉には、冷徹な鉄のような意志が宿っていた。
「でも、あの家宝の話は本当なのか?」 イシェが呟いた。
テルヘルは少しだけ表情を変えた。「ヴォルダン王室が所有していたとされる家宝は、確かに存在するらしい。強力な魔法が込められた秘宝だと言われている」 彼女の目は燃えるような光を宿し、過去の復讐心に火がついたようだった。
「それで、それを手に入れるにはどうすればいいんだ?」 ラーンは興奮を抑えきれない様子で尋ねた。
テルヘルはゆっくりと口を開いた。「その手がかりは、次の遺跡に眠っている可能性が高い。そして、そこにはヴォルダンの魔の手が伸びている」