ラーンがいつものように、錆びた剣を研ぎながらイシェに話しかけた。「今日の遺跡、どんな感じだと思ってる?」
「いつものように危険な罠と、大して価値のない破片でしょう」イシェは Sighした。
ラーンの目の前で開かれる地図を広げ、指で遺跡の位置を示した。「でも、今回は違うって気がするんだ!あの古い家令の話を聞いただろ?あの遺跡に眠る宝物は、ただの破片じゃないって!」
イシェは眉をひそめた。「家令の話なんて信じてはいけない。あの人は昔話好きだ」
「でも、あの家令が言った通り、ヴォルダンの兵士たちがこっそり遺跡を探しに来たんだぞ!何か価値のあるものがあるに違いない」ラーンは興奮気味に言った。
イシェはため息をついた。「ヴォルダンが何を求めているのかわからない。それに、テルヘルは何を企んでいるのか…」
「まぁ、僕たちは報酬をもらえるならいいんだろ?そのお金で美味しい酒と肉でも食べようぜ!」ラーンの明るい笑顔にイシェも少しだけ心が和んだ。
「そうだな、今日は新しい酒を飲んでみるか」イシェは小さく笑った。
二人は遺跡へ向かう準備を整え始めた。テルヘルが待つ場所へ行く前に、イシェは密かに小さな瓶を取り出した。中には家令からもらった薬草の粉末が入っていた。
「これで、もしヴォルダンに何かされたら…」イシェは小さな声で呟いた。