ラーンの豪快な笑いがビレーの狭い tavern にこだました。イシェは眉間に皺を寄せながら、彼の背後から「また大穴の話か…」と呟いた。テーブルの上には、テルヘルが持ち出した地図が広げられている。彼女は指で遺跡の位置を示しながら、「今回はここだ。情報によると、ヴォルダン軍が以前何かを隠した場所らしい」と説明した。
ラーンの目は輝き、「おお!これは大穴になるぞ!」と叫んだ。イシェはため息をついた。「またしても…」。だが、テルヘルの提案には興味があった。彼女はヴォルダンへの復讐心を秘めており、その遺跡がヴォルダンに関係しているというのは大きな魅力だった。
「報酬はどうなる?」イシェは冷静に尋ねた。テルヘルは唇を少し巻き上げ、「今回は特別だ。遺物に加えて、情報提供の報酬も加える」と答えた。イシェは満足げにうなずいた。ラーンはすでに立ち上がろうとしていた。「よし!準備だ!大穴を掘り当ててやる!」と叫んだ。
テルヘルは彼らをじっと見つめ、「成功すれば、必ずや君たちにその価値を示す」とつぶやいた。彼女の瞳には、復讐への執念が燃えていた。
翌日、三人は遺跡へと向かった。入念に準備を整えたはずだったが、遺跡内部は予想以上に複雑で危険だった。罠が仕掛けられ、異形の獣が出現する。ラーンの剣技とイシェの機転が試される場面も少なくなかった。
テルヘルは冷静さを失わずに指示を出し、時には自らも剣を振るった。三人は互いに助け合い、協力しながら遺跡の奥深くへと進んでいく。
そしてついに、彼らは遺跡の中心部にある大きな石棺を発見した。石棺には複雑な紋様があしらわれており、古代の力を感じさせた。テルヘルは興奮を抑えきれずに言った。「ここだ…ヴォルダンが隠したものは…」
ラーンは石棺に手を伸ばそうとしたその時、突然地面が揺れ始めた。天井から崩れ落ち、壁から毒ガスが噴き出した。三人は慌てて逃げようとしたが、出口は封鎖されていた。遺跡全体が崩壊寸前だった。
「罠だ!」イシェは叫んだ。ラーンの顔色は青ざめた。「やられた…」テルヘルは冷静さを失わずに言った。「落ち着け。この状況を打破する策がある」と告げ、彼女の手には小さな宝石が握られていた。それは遺跡で発見した遺物の一つだった。