ラーンの大声を遮るようにイシェがささやく。「待て！あの影、動いたぞ」。ビレーの街外れの遺跡跡。崩れかけた石畳の上で三人は慎重に進む。テルヘルは眉間に皺を寄せながら周囲を警戒する。「この遺跡、何か変だ」と呟く。ラーンが興奮気味に「大穴発見だ！」と叫んだ時だった。
巨大な石棺が姿を現したのだ。装飾は複雑で、まるで生きているかのような精巧さだった。ラーンの目は輝き、イシェも息を呑む。だが、テルヘルは石棺に近づき、慎重に表面を触れて確認した。「これは罠だ」と断言した。
その時、石棺の脇から影が飛び出した。黒曜石のような鋭い爪を持つ人型 creature が襲いかかってきた。ラーンは剣を抜き、猛然と応戦する。イシェは素早くテルヘルの指示に従い、近くの岩陰に隠れる。激しい攻防が続く中、creature はラーンの攻撃をかわし、彼に深い傷を与えた。
その時、石棺の蓋が開き始めた。そこから不気味な光が漏れてきた。「守衛だ！」テルヘルが叫んだ。「石棺を守る存在だ」
creature は石棺に駆け寄り、まるで守るようにその前に立ち止まった。ラーンは傷を負いながらも立ち上がり、creature に向かっていく。だが、イシェが彼を押さえつけた。「無駄だ！逃げろ！」
テルヘルは冷静さを保ち、「この遺跡は危険すぎる。撤退だ！」と命令した。三人は creature の視線を背に、一目散に遺跡から逃げるのであった。