「おいイシェ、今日はいい感じの予感しかしないぜ!絶対何か掘り出すぞ!」ラーンが目を輝かせ、遺跡の入り口に足を踏み入れた。彼の背後からイシェがため息をついた。「またそんなこと言って、結局は錆びた剣か石ころしか出てこないんじゃないの?」
テルヘルは二人がやり取りをしながら遺跡へと入っていく様子を冷酷な目で眺めていた。彼らの無邪気さに苛立ちを感じながらも、どこかで彼らを必要としていた。ヴォルダンへの復讐を果たすためには、彼女にはこの二人の力が必要だったのだ。
遺跡内部は暗く湿り、不気味な静けさに包まれていた。ラーンの足音だけが響き渡る。イシェは細心の注意を払いながら、周囲を警戒していた。「ここには何かいる気がする…」と呟くと、ラーンが剣を抜いて構えた。だが、そこに現れたのは巨大な蜘蛛だった。
ラーンとイシェは息を合わせ、連携して蜘蛛を倒していく。激しい戦いの末、ついに蜘蛛を打ち負かし、二人は安堵のため息をついた。
「よし、これで少しは財宝に近づくぞ!」ラーンの言葉に、イシェは苦笑するだけだった。しかし、その瞬間、テルヘルが何かを発見した。「ここだ…!」彼女は興奮気味に床にある石版を指差した。石版には複雑な模様が刻まれており、古代の文字で何か書かれていた。
「これは…?」ラーンとイシェが近づくと、テルヘルは声を震わせた。「これは嫁入り道具のリストだ!この遺跡の奥深くには、かつて王女が持ち込んだという伝説の宝が眠っているはずだ!」
三人は興奮を抑えきれず、さらに奥へと進んでいく。だが、その道程は決して平坦ではなかった。罠や危険なモンスターが待ち受けており、ラーンとイシェは何度も窮地を乗り越えることになる。
そしてついに、遺跡の最深部へとたどり着いた時、そこには豪華絢爛な宝部屋が広がっていた。宝石、金貨、そして王女の嫁入り道具が全てそこに保管されていた。
「やった!ついに大穴を見つけたぞ!」ラーンの叫び声が響き渡る。イシェも目を輝かせ、テルヘルは冷酷な笑みを浮かべた。だが、その喜びは長く続かなかった。遺跡の奥から、不気味な光が放たれ始めたのだ…。