ラーンの大hammerが遺跡の奥深くへと轟き渡った。石塵が舞う中から、イシェが顔をしかめて言った。「また無駄な力仕事だな」。ラーンは肩をすくめ、ニヤリと笑った。「いやいや、この先には必ず何かあるって！ほら、あの壁の模様、見たことないだろ？古代文明の秘密に繋がるかも！」イシェはため息をつきながら、壁の模様を指でなぞり始めた。複雑な記号が刻まれており、どこかで見たような気もするが思い出せない。
その時、背後から冷たい声が響いた。「見つけたようだ」。テルヘルが近付いてきて、石板を手にした。その上には、イシェが見たのと同じ模様が描かれており、さらに複雑な図形が追加されていた。「これは…」テルヘルは目を細めながら呟いた。「古代ヴォルダン人が使用していたと伝えられる、一種の鍵らしい。遺跡の奥深くに眠る宝物庫を開ける力を持つという」。
ラーンの目が輝き始めた。「宝物庫か！ついに大穴が見つかるかも！」イシェは警戒心を増した。「待てよ、テルヘル、この情報源は確かか？ヴォルダン人の記録なんて信じて良いものなのか？」テルヘルは冷ややかに笑った。「信じるかどうかは君たちの自由だ。だが、この鍵を使って宝物庫を開けられるのは彼らだけだとしたら…」
彼女の言葉にラーンとイシェは言葉を失った。テルヘルの目的は明らかにヴォルダンへの復讐であり、そのために遺跡を探索し、古代の知識を利用している。そして今、その鍵が手に入ったのだ。イシェはラーンの顔を見て、何か言いたげに口を開きそうになったが、ラーンはすでに決意したように頷いていた。「よし！宝物庫に行こう！」彼の力強い言葉と、テルヘルの鋭い目線が交錯する中、遺跡の奥深くへと続く暗い通路に、三人は足を踏み入れていった。彼らの前に広がるのは、未知なる古代の秘密と、そこに関わる危険な真実だった。