ラーンが興奮気味に遺跡の地図を広げた。
「今回は絶対に大穴だ!この奥深くにある未探索区域には、古代文明の秘宝が眠ってるって噂があるんだ!」
イシェは眉間にしわを寄せて地図を睨んだ。「噂レベルの話に踊らされないでほしいわ。あの深部は危険だって何度も言ったじゃない。それに、この遺跡調査許可証、テルヘルが偽造したものでしょ?見つかったら大変よ。」
ラーンはイシェの言葉を無視して、剣を研ぎ始めた。「大丈夫だ。俺たちが持ち帰れば、どんな危険も乗り越えられる!ほら、テルヘルにも約束したじゃないか。古代文明の秘密を解明するお手伝いをするって!」
「あの女は、ヴォルダンへの復讐のために遺跡を探しているだけよ。私たちを利用しようとしているに過ぎないわ。」イシェはため息をついた。「それに、あの女が言うように、古代文明の知識を掌握すれば、ヴォルダンの軍事力を弱めることができるかもしれない。でも、それには我々が犠牲になる可能性もあるのよ…」
その時、テルヘルが遺跡の入り口から姿を現した。「準備はいいか?いよいよ深部へ潜るぞ。」彼女の目は鋭く、どこか冷酷だった。「あの古代文明の技術を手に入れれば、ヴォルダンに復讐を果たすことができる。そして、この世界を救うことができる。」
ラーンはテルヘルの言葉に火がついたように、興奮した様子で剣を構えた。「よし、行くぞイシェ!大穴を見つけ出すんだ!」
イシェは彼らを見つめながら、小さく呟いた。「私たちは本当に誰かのために戦っているのだろうか…」