「おいラーン、あの尖った石は何だ?」イシェが眉間に皺を寄せながら奇妙な形状の石を指さした。ビレーから南へ二日の道のりにある遺跡では、いつもと違う不気味な静けさが張り詰めていた。
「 dunno」ラーンは肩をすくめた。「でも、なんかでかいぞ。宝箱かな?」彼の目は輝き、剣を手に取る仕草を見せた。イシェがため息をついた。ラーンの無計画さは、いつも彼女を不安にさせる。
「待てよ。」テルヘルが手を上げた。「あれはただの石じゃない。ヴォルダン遺跡で発見されたものと似ている。古代の装置の一部かもしれない」彼女の目は鋭く光り、興奮気味に説明を続けた。「この石に刻まれた記号は、ヴォルダン人が使用していた特殊なエネルギー源に関するものだと私は確信している」
ラーンは興味なさそうに耳を傾けながら、石を蹴った。イシェはテルヘルが言う内容に興味を抱きながらも、その奇抜な理論に半信半疑だった。
突然、石が光り始めた。青白い光が遺跡の壁面を駆け巡り、奇妙な模様を描き出した。ラーンの顔色が変わった。「おい、何だこれは?!」彼は剣を構えた。
光は Intensify して、空気を震わせた。そして、石の上から突如、巨大な翼が生えてきた。それはまるで、石に宿っていた何かが目を覚ましたかのようだった。
イシェは驚愕した。「何だあの翼は…!」
テルヘルは冷静さを保ち、「ヴォルダンの伝説の生物、グリフィンだ」とつぶやいた。「この装置は、それを呼び出すためのものだったのか…」
ラーンは恐る恐る翼に触れた。すると、翼は彼の腕を包み込み始めた。
「うわぁ!」ラーンの叫び声が遺跡に響き渡った。
イシェが駆け寄ろうとした時、巨大な影が彼らを覆った。空から巨大なグリフィンが降臨し、鋭い爪と牙を剥き出した。
「逃げろ!」テルヘルが叫んだ。だが、すでに遅かった。グリフィンはラーンを抱え上げ、空高く舞い上がった。