「よし、今回はあの崩れかけの塔だ!」ラーンが目を輝かせ、地図を広げた。イシェは眉間に皺を寄せた。「また危険な場所かい? ラーン、あの塔は噂で呪われているって聞いたことがあるわよ。」
「呪いなんて気にすんな! 大穴が見つかったら、俺たちだって大金持ちになれるんだぞ!」ラーンの豪快な笑いが響いた。イシェはため息をつきながら、準備を始めた。テルヘルは二人が言い争うのを静かに見ているだけだった。
遺跡の入り口に着くと、ラーンが先に飛び込んだ。イシェは彼を追いかけるように、テルヘルも後ろから続く。塔の中は薄暗く、埃っぽい空気が漂っていた。崩れかけた石畳の上を慎重に進む三人は、やがて奥深くまでたどり着いた。そこには、朽ち果てた祭壇があった。
「これは…!」テルヘルが祭壇に駆け寄り、目を輝かせた。「古代ヴォルダンの遺物だ!」彼女は興奮気味に祭壇に触れた瞬間、床が崩れ、三人は深い穴に落ちていった。
目が覚めると、彼らは広大な地下空間の中にいた。天井からは不思議な光が降り注ぎ、壁には複雑な模様が刻まれていた。中心には、巨大な水晶の球体が浮かんでいた。
「これは…」ラーンは言葉を失った。イシェも目を丸くした。「こんな場所に…!」テルヘルは水晶球に手を伸ばし、「ヴォルダンが隠していたもの…ついに見つけた!」とつぶやいた。
その時、水晶球から光が放たれ、三人は blinding light に包まれた。そして、その光の中に、広大な財宝の山と、その中に座る太っ腹な老人が現れた。
「ようこそ、勇者たちよ。汝らは真の力を手に入れるために選ばれた者たちだ。」老人はゆっくりと語りかけた。「この財宝は汝らのものだ。ただし、それを賢く使いなさい。」