ビレーの夜空は星屑で埋め尽くされていた。いつもより少しだけ明るい天の川が、まるで巨大な銀色の蛇のように街の上を這うように流れていた。ラーンはイシェが持ってきた酒を一口飲み干すと、ため息をついた。
「また空っぽかよ」
イシェは眉をひそめた。「あの遺跡は本当に何もなかったのかい?テルヘルに騙されたんじゃないかと疑いだすよ」
ラーンは笑い飛ばした。「そんなわけないだろう。あの女が言うには、あの遺跡には天の川にまつわる伝説があるらしいぞ。もしかしたら、俺たちが見つけられなかっただけで、何か大発見があるかもしれないんだ!」
イシェはため息をついた。「天の川にまつわる伝説…またそんな話を持ち出してくるのか。ラーンは本当に何も変わらんな」
「でもな、天の川って神秘的だろ?あの星々の光が、何百万年も前から宇宙を漂い続けていると思うと、なんだかワクワクしてこないか?」
イシェはラーンの熱気に負けそうになりながら、「そんなことより、今日の報酬で食料を買うことの方が現実的だ」と言った。
その時、テルヘルが戻ってきた。「何か見つけたぞ」彼女の瞳は不気味なほどに輝いていた。「あの遺跡の奥深く、天の川を映すような青い宝石を見つけた。それが、この世界の真の姿を知る鍵なのかもしれない…」