ビレーの街は雪に覆われていた。いつもより早く訪れた冬は、人々の生活を硬く凍りつかせていた。ラーンとイシェは、凍えそうな顔で tavern の暖炉の前に座り込んでいた。
「こんな日には遺跡なんて行けないよな」
ラーンの言葉にイシェは小さく頷く。いつもなら賑わう街も、大雪の影響で店を閉めているところが多い。そんな中、テルヘルだけがいつものように tavern に現れた。
「準備はいいか？今日は大きな収穫が期待できるだろう」
テルヘルの言葉はいつも通り冷たかったが、ラーンの耳には希望の光のように聞こえた。
「よし、行こう！」
ラーンは立ち上がり、雪道を歩を進める。イシェも渋々ついていく。
遺跡への道は雪で覆われ、足元が不安定だった。視界を遮る吹雪の中、彼らは目標とする遺跡にたどり着いた。
「ここだ」
テルヘルが静かに告げると、ラーンとイシェは息を呑んだ。遺跡の入り口には、巨大な氷柱がそびえ立っていた。それはまるで、冬そのものを象徴するかのようだった。
「これは…！」
イシェが驚きの声を上げると、ラーンも氷柱に目を奪われた。氷柱の中に、何かが封じ込められているように見えた。
テルヘルは慎重に氷柱に触れると、そこから淡い光が漏れてきた。
「これは…」
テルヘルの声は震えていた。彼女は興奮を抑えきれない様子だった。
「これは我々が求めていたものだ」