ラーンの豪快な笑い声が、遺跡の奥深くまでこだました。
「よっしゃ!今回は間違いなく大穴だ!」
彼は興奮気味に石化した骨のかたまりを蹴り飛ばし、その奥にある光り輝く金属片を見つめた。イシェは眉間に皺を寄せながら、ラーンの肩越しにその金属片をじっと観察していた。
「またか、ラーン。あれがどれだけ価値があるのか分かるのかい? それに、ここには大量の骨があるじゃないか。何か恐ろしいものがあった可能性もあるぞ」
ラーンの笑顔は一瞬曇ったが、すぐにいつもの陽気な表情に戻った。
「気にすんな、イシェ!俺たちは冒険者だ!危険と隣り合わせでこそ面白いんだ!」
彼は剣を抜き、金属片に向かって歩み寄ろうとしたその時、イシェが彼の腕を引き止めた。
「待て、ラーン。何か変だぞ」
イシェは地面に目をやると、足元から大量の骨がゆっくりと動き始めたことに気づいた。
「これは…!」
その瞬間、骨の山から不気味な音が響き渡り、大量の骸骨が彼らに向かって襲いかかってきた。ラーンは剣を振り下ろし、骸骨たちをなぎ倒していくが、数が多すぎる。イシェも慌てて daggers を抜き取り、戦いに加わった。
その時、テルヘルが冷静に状況を把握し、近くの壁にあるレバーを引いた。壁の一部が崩れ落ち、大量の石が骸骨たちに降りかかり、一時的に動きを止めた。
「逃げろ!」
テルヘルの叫び声と共に、三人は遺跡から一目散に逃げていった。