ラーンの粗雑な swing で埃が舞う。イシェは咳き込みながら、「またあの入り口なのか？いつも同じ場所ばかりじゃ飽きるぞ」と愚痴をこぼした。ラーンは気にもせず、陽気に笑って「今日はきっと何かあるぜ！ほら、見てみろよ、この石の形、変だな」と、壁にへばりついた奇妙な石を指さす。確かに、その石は周囲の石とは異なる、有機的な曲線でできていた。イシェは眉間にしわを寄せながら、石に触れると表面が滑らかだった。「何かの生き物の骨かしら？」
「そんなことより、早く中に入ろうぜ！」ラーンの言葉に引きずられるように、イシェも遺跡の中へ足を踏み入れた。内部は薄暗く、湿った空気が鼻腔を刺す。石畳の床はところどころ崩れかけており、足元を確かめながら進む必要がある。
テルヘルは後方に位置取り、鋭い目で周囲を警戒しながら歩を進めた。彼女は遺跡探検を趣味とするわけではなかった。ヴォルダンへの復讐のため、必要な情報や遺物をこの遺跡から得ようとしていたのだ。彼女の視線は、壁に刻まれた奇妙な文様に釘付けになった。それはまるで変形する生き物の模様のようだった。
「何だこれ？」ラーンが壁の模様を指さし、「何か呪文みたいだな」と呟く。イシェは近づき、模様をじっくり観察した。「この記号…どこかで見たことがあるような気がする…」その時、床が突然崩れ始め、三人は gaping hole に飲み込まれるように落下した。
意識を取り戻すと、彼らは広くて明るい空間の中にいた。天井から伸びる巨大な柱は、まるで変形する植物の枝のようだった。そして、その中心には、脈打つように光を放つ球体があった。ラーンは目を丸くして「これは…！」と呟き、イシェは言葉を失った。テルヘルは静かに剣を抜いて周囲を警戒し、「何か罠があるかもしれない」と警告した。
球体はゆっくりと回転しながら、奇妙な音を発していた。その音はまるで、生きているかのような感覚を与えた。ラーンの心は高鳴り、イシェの頭の中では様々な推論が渦巻いた。そして、テルヘルは静かに呟いた。「これは…私が探していたものかもしれない。」