ビレーの薄暗い酒場で、ラーンが豪快に笑ってmugを空にする。イシェは眉間に皺を寄せながら彼の肩を軽く叩き、「また無駄遣いをしたのね。あの金で食料を買えば一週間は持ちましたよ」。ラーンの笑い声は一瞬止んだものの、すぐに「大丈夫だよ、イシェ。今日はいい気分だからな!テルヘルさんが大金を出すって言っただろう?あの遺跡にはきっと何かあるはずだ!」と、また陽気に笑いを放つ。イシェはため息をつきながら、「いつもその言葉ばかり。いつになったら現実を見るんだい?」と呟く。
その時、 tavernの入り口が開き、テルヘルが入ってきた。彼女はいつものように黒のローブを身にまとい、鋭い眼光で周囲を見回す。ラーンの隣に座り、テーブルに置かれた紙切れをイシェに見せる。「今日は準備万端だ。あの遺跡はヴォルダンが以前調査していた場所らしい。彼らも何かを探しているようだ」と、低い声で告げる。イシェは地図を広げると、そこに記された複雑な図形を凝視する。「ヴォルダン…あの国は今、エンノル連合に圧力をかけているわよね?まさか…」
ラーンは「そんなことより、大穴が見つかるといいな!テルヘルさん、今回は報酬アップしてくれるんでしょ?」と目を輝かせた。テルヘルは少しの間、ラーンの顔を見つめた後、「今回は特別だ。遺跡の奥に眠る遺物は、我々が望む未来を左右する鍵になるだろう」と答える。イシェは不安な気持ちを抱えながらも、テルヘルの言葉には何か強い意志を感じた。
翌日、三人は遺跡へと向かった。深い森を抜けた先に広がるのは、崩れかけた石造りの巨大建造物だった。ラーンが入り口の扉を押し開けると、埃っぽい空気が立ち込める内部に足を踏み入れる。イシェは緊張した表情で周囲を警戒しながら、ラーンの後を続く。テルヘルは静かに地図を広げ、遺跡の構造を分析する。
彼らは深く暗い通路を進み、謎めいた壁画や仕掛けのある部屋に出くわしていく。危険な罠もいくつかあったが、ラーンの武勇とイシェの冷静な判断で乗り越えていく。そしてついに、奥深くに広がる巨大な石室にたどり着いた。そこには、光る球体のような遺物があった。
テルヘルは興奮した様子で遺物に向かって歩み寄る。「これで…これでヴォルダンへの復讐が…」と呟く。しかし、その時、石室の壁から不気味な光が放たれ、三人は激しい衝撃に襲われる。